こんにちは!ボディビルが大好きなパーソナルトレーナーのゴリラです。
今回は、ミスターオリンピアを7連覇したプロボディビルダーのフィルヒース(Phil Heath)について
- プロフィール
- 身体の特徴
- 経歴
- トレーニングメニュー
- 食事メニュー
これらのことを徹底的に解説しようと思います。
この記事を通して、フィルヒースについてさらに知ってもらえたら幸いです!
Contents
フィルヒースのプロフィール

- 本名:Phillip Jerrod Heath(フィリップ・ジェロッド・ヒース)
- ニックネーム:The Gift
- 職業:プロボディビルダー
- 出身:アメリカ合衆国ワシントン州シアトル
- 生年月日:1979年12月18日
- 身長:175cm
- 体重(オフシーズン):125kg
- 体重(オンシーズン):109kg
- 胸囲:137cm
- 腕:58cm
- ウエスト:73cm
- 太もも:81cm
- ふくらはぎ:50cm
フィルヒースの身体の特徴

フィルヒースの最大の特徴といえば、この「背中」ですね。
広がりもそうなんですが、特に厚みがヤバいです。背中のボコボコ感が他の選手と比較しても頭1つ抜けています。

例えば、上の写真は2018年ミスターオリンピアのもので、左が優勝したショーンローデン、右がフィルヒースです。
両者を比較すると、背中のボコボコ感が全然違います。
いくらショーンローデンは背中が弱点とはいっても、彼はミスターオリンピア2018のチャンピオンです。
チャンピオンと比較して誰が見てもはっきりわかる差を出せるのは、本当にフィルヒースの背中が素晴らしいという証拠ですね。

一方で短所というか、よく改善しろと非難の声が上がっているのが「お腹」ですね。
下の写真の左がフィルヒースなのですが、力を入れていない時にお腹がかなり出ちゃっています。
これは、バブルガットという内蔵肥大などによってお腹が風船のように膨らんでしまう現象ですね。

このお腹は海外ではかなり非難されていました。
実際、2018年のミスターオリンピアでは、負けた理由の1つにこのお腹があるとも言われています。
フィルヒースの経歴
元々はバスケットボールを本格的にやっていた

フィルヒース(Phil Heath)は、1979年12月18日にアメリカのワシントン州シアトルで生まれ、子供の頃からずっとバスケットボールをやっていました。
元々運動神経も良く、バスケの才能もあったため、彼の卒業校であるデンバー大学へはスポーツ奨学金で入学したようです。
大学ではビジネスを学びながらバスケチームで活躍していました。
23歳から本格的にトレーニングを開始し、26歳でプロに
フィルヒースが筋トレを始めたのは元々はバスケのためだったようです。
チームメイトが筋トレをするのに混じってフィルヒースも筋トレを始めました。
トレーニングを始めるとだんだんバスケよりもボディビルの方に夢中になり、バスケを辞めてトレーニングにひたすら夢中になりました。
地元のジムで働きながら、ひたすらトレーニングの勉強をしていたようです。
そしてトレーニングを開始して僅か3年後のNPC USA Championshipsというアメリカのボディビル大会で見事優勝し、プロボディビルダーになることができました。
この短期間での成長っぷりは「The Gift」というニックネームにふさわしいですね。
31歳でミスターオリンピア優勝
プロになって以降、出場する大会はほとんど優勝という成績を残し、2011年にはミスターオリンピアで優勝することができました。
その後も優勝を重ね、2017年まででミスターオリンピア7連覇という偉業を達成しました。
2018年ではショーンローデンに敗れてしまいましたが、それでも2位という結果を残しています。
なお、フィルヒースの大会成績はこんな感じです(ミスターオリンピアとアーノルドクラシック)。
<ミスターオリンピア>
・2008年 3位
・2009年 5位
・2010年 2位
・2011年 1位
・2012年 1位
・2013年 1位
・2014年 1位
・2015年 1位
・2016年 1位
・2017年 1位
・2018年 2位
<アーノルドクラシック>
・2007年 5位
・2008年 2位
・2010年 2位
・2013年ヨーロッパ 1位
フィルヒースのトレーニング
フィルヒース(Phil Heath)のトレーニングメニュー例を1部位ずつご紹介していきます。
全体的なトレーニングの特徴として言えるのが、
- 軽めの重量を丁寧なフォームで行う
- 常に負荷が抜けないように意識する
ということですね。
胸のトレーニングメニュー
フィルヒースの胸トレーニングメニューはこんな感じです。
- ベンチプレス
- インクラインベンチプレス
- チェストプレス
- インクラインチェストプレス(ワンハンド)
- ペクトラルフライ
胸トレーニングメニューはかなり基本的な種目が多いですね。
ベンチプレスとインクラインベンチプレスは、「バーベルを胸に降ろした状態で1秒ほど静止する」というフォームで行っています。
胸に降ろした状態で静止することによって、胸をよりストレッチすることができます。
重さも軽めに設定し、完璧にウエイトをコントロールしています。
さすがプロと言いたくなるようなキレイなフォームですね。
また、バーベルも上げ切りません。
だいたい下の写真くらいまでしか上げず、すぐ降ろしていますね。
バーベルを上げ切ると負荷が抜けてしまうという理由で上げ切らないボディビルダーは多いですが、フィルヒースも同じ考えのようです。

ただ、全ての種目で負荷が抜けないようにするわけではないようです。
チェストプレスでは、1回1回完全に地面に重りをつけて負荷を抜いてしまっています。
チェストプレスでは重りを持ち上げて胸を収縮させることに焦点を当てているみたいですね。

- ベンチプレスではバーベルを深く降ろし、最下点で1秒程静止する
- 胸から負荷が抜けないよう、バーベルは上げ切らない
- 重りは全体的に軽め。その分、完璧にウエイトをコントロールする
- チェストプレスでは重りを上げた際の胸の収縮に意識を注ぐ
背中のトレーニングメニュー
- ラットプルダウン
- スミスマシンバーベルロウ(ワンハンド)
- マシンプルオーバー
- クローズグリップラットプルダウン
- パラレルグリップラットプルダウン
- シーテッドロウ
背中のトレーニングは全体的に、「負荷が抜けないように腕を伸ばしきらない」といったことをしています。
だいたい下の写真くらいの位置で止め、すぐ降ろしていますね。

ただ、胸のように重りを降ろしたところで1秒程静止するというのはやっておらず、動作テンポはずっと一定のようです。
また、表情などを見ると他の部位に比べて比較的高重量をやっているように見えます。
フォームが崩れない限界の最大重量でトレーニングを行うことを意識しているのかもしれませんね。

また、スミスマシンを使ったワンハンドバーベルロウは面白いですね
日本ではなかなか見ないトレーニングだと思います。
スミスマシンは日本でも置いてあるジムは多いと思うので、気になったら試してみるのも良いですね。
- 背中から負荷が抜けないよう、腕は伸ばしきらない
- フォームが崩れないギリギリの重い重量を扱う
脚のトレーニングメニュー
- レッグカール(ライイング)
- グルートマシン
- アブダクション
- スティフレッグドデッドリフト
- レッグカール
- レッグエクステンション
- レッグプレス
- 45度レッグプレス
- ハックスクワット
- マシンスクワット
脚のトレーニングメニューは、最初にハムストリングやお尻を鍛え、大腿四頭筋を鍛えるという流れですね。
この流れは、ウィリアムボナックと同じですね。
また、体格を考えるとどの種目も比較的軽めの重量でやっていることがわかります。
ただその分、完璧にコントロールされたフォームです。
負荷が抜けないよう膝を伸ばしきらないという点も、他の部位のトレーニングと同じですね。
- 脚から負荷が抜けないよう、膝は伸ばしきらない
- ハムストリングやお尻から入り、最後に大腿四頭筋を鍛える

肩のトレーニングメニュー
- スミスマシンショルダープレス(フロント)
- スミスマシンショルダープレス(バック)
- マシンシュラッグ
- マシンショルダープレス
- マシンサイドレイズ
- フェイスプル
- マシンリアレイズ
- サイドレイズ
肩のトレーニングで気づいたのが、4種目めのマシンショルダープレスで一番高重量を扱っているということです。
最初の3種目は比較的余裕がありそうでしたが、4種目めでは高重量で雄たけびをあげながらトレーニングをしていました。
5回限界の重量でしたので、結構重めですね。
4種目めという遅いタイミングで最も高重量のトレーニングをするのは、なかなか特徴的です。
また、フロントレイズなどの三角筋前部に焦点を当てたレイズ系種目をやっていないですね。
フロントはショルダープレスやベンチプレスなどのプレス系で鍛えられるからという理由でやっていないのかもしれませんね。
- 4種目めに高重量を扱う
- フロントのレイズ系種目はやらない
- 比較的軽めの重量を扱い、ウエイトをコントロールする
- プレス系の種目は、負荷が抜けないよう腕を伸ばしきらない
腕のトレーニングメニュー
- マシンアームカール(ワンハンド)
- マシンアームカール(ワンハンド&別のマシン)
- コンセントレーションカール
- ダンベルカール
- プレスダウン(ドロップセット)
- オーバーヘッドケーブルエクステンション(ワンハンド)
- ディップス
<ドロップセット法>
限界まで追い込んだ後、重量を下げて同じ種目をインターバルなしで連続して行う事。
(例:50kgで10回→30kgで10回→10kgで10回など)
腕のトレーニング全体に言えるのが、片手ずつやっている種目が多いです。
二頭の種目は全て片手ずつやっていますね。
三頭はオーバーヘッドケーブルエクステンションのみ片手です。
片手ずつやることで、1つの筋肉により集中できてしっかりトレーニングできるというメリットがあります。
フィルヒースは、筋肉の収縮と伸展を意識しながら丁寧にトレーニングをしている様子でした。
実際、フィルヒースは
「腕のトレーニングで大事なのは常に負荷が抜けないようにし、パンプと収縮を感じること」
と言っているので、筋肉を意識するためにも片手ずつやるようにしているのでしょう。
- 片手でできる種目は片手ずつ行う
- 常に筋肉の収縮と伸展を意識する
トレーニングプラン例
フィルヒースのトレーニングプランはこんな感じです。
- 月曜:脚
- 火曜:胸と三頭
- 水曜:肩
- 木曜:背中と二頭
- 金曜:脚
- 土曜:休み
- 日曜:休み
もちろん、これはあくまでも一例です。
例えば、動画では腕は二頭と三頭の両方を同じ日に鍛えているようでしたし、そのときの状況によってトレーニングプランを変えているようですね。
また、1種目3~4セット、それぞれ10~12回くらいでトレーニングする事が多いようです。
ただ、これも決まっているわけではなく、その時の状況によって変えているようですね。
フィルヒースの食事
オフシーズンの食事
食事1 | 鶏の胸肉340g、卵白1カップ、白米1合 |
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食事2 | 牛ひき肉340g(赤身94%)、白米2合 |
食事3 | 牛ヒレ肉340g、全粒粉パスタ225g |
食事4 | 牛ヒレ肉170-220g、じゃがいも285g |
食事5 | 鶏の胸肉340g、ホウレンソウ1カップ |
食事6 | 牛ひき肉340g(赤身94%)、ブロッコリー1カップ |
食事7 | ピーナッツバター大さじ2杯 |
オフシーズンは1日あたり5000kcal・タンパク質400g・炭水化物600gほど摂取するようです。
食事回数を多めに設定し、高カロリー・高タンパク・高炭水化物・低脂質な食事を徹底しているようですね。
また、食事も他のボディビルダーと同様、夜寝る前の食事では炭水化物を摂取しないようです。
オンシーズン(大会前)の食事
食事1 | オートミール1カップ、卵白2.5カップ |
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食事2 | 鶏の胸肉340g、玄米1合、野菜 |
食事3 | 牛ヒレ肉340g、さつまいも |
食事4 | 牛ヒレ肉340g,、さつまいも |
食事5 | 鶏の胸肉340g、玄米1合 |
食事6 | ティラピア340g、ブロッコリー |
食事7 | ティラピア340g、ブロッコリー |
大会前になると、食事内容が大きく変わります。
この食事内容を見る限り
- 炭水化物を低GI値のものに変更する
- 野菜の摂取量が増える
- タンパク質の摂取量が増える
- 炭水化物・脂質の摂取量が減る
といった変化がありますね。
食事内容に大きな特徴はなく、ボディビルダーの中ではかなりベーシックな食生活のようです。
<GI値>
炭水化物が分解され、糖に変わるまでのスピードを表した数値。GI値が低いほど太りにくくなると言われている。

実はフィルヒースはスピーチが上手い一面も!
意外かもしれませんが、フィルヒースにはスピーチが上手いという一面もあります。
これは2017年のミスターオリンピアで優勝したときのスピーチですが、「最高のスピーチ」として世界中で絶賛されました。
実際、本当に上手いです。初めて見た時は感動しました。
フィルヒースには筋肉の才能ではなく、スピーチの才能もあるのかもしれませんね。
「The Gift」にふさわしい人物だと思います。
まとめ:フィルヒースについて
いかがでしたか?
今回は、フィルヒースについて、経歴・特徴・トレーニング・食事などを解説しました。
特にトレーニングは本当に丁寧で、まさにお手本のようなフォームです。
是非、学べるところは学び、自分のトレーニングのヒントにしてみてください!

