こんにちは!パーソナルトレーナーのゴリラです。
筋トレしてる人なら誰もが感じる「理想的なPFCバランスって何?」という疑問。
今回は、増量・減量に理想的なPFCバランス&計算方法を解説していきます。
<PFCバランスとは?>
1日の食事の中のたんぱく質(Protein)・脂質(Fat)・炭水化物(Carbohydrate)のバランス
なお、今回は海外の研究をベースに解説していくので、そこそこ信頼性のある話ができるかなと思います。
Contents
【筋トレ×食事】増量・減量に理想的なPFCバランスとは?

筋トレに理想的なPFCバランスは以下のような感じです。
- (P)たんぱく質:1.6~2.5(g) × 体重(kg)
- (F)脂質:1日の摂取カロリーの15~30(%)
- (C)炭水化物:残りのカロリー
基本的に、増量も減量もPFCバランスの考え方は一緒なので、上の通りに計算すればOKです。
増量の場合は1日の摂取カロリーが増えるので、炭水化物と脂質の量が増え、たんぱく質の量は変わらないイメージです。
ここから、「なぜこの数字なのか?」という事も含めてもうちょっと掘り下げていきます。
理想的なたんぱく質の量について
まずは筋肉の維持・増加に影響のある栄養素である「たんぱく質」について。
増量・減量に理想的なたんぱく質は「1.6~2.5(g) × 体重(kg)」です。
体重70kgの方であれば、112~175(g)のたんぱく質を摂取すればOKという計算になります。
この数字の根拠
2017年に行われた、たんぱく質と筋肥大の関係を述べた2つの研究<1&2>について。
この2つの研究では、1.6(g)×体重(kg)程度のたんぱく質があれば筋肉の維持・増加には十分であり、これ以上摂取しても筋肥大の影響はないとしています。
とはいえ、2014年に行われた他の研究<3>では、除脂肪体重(kg)×2.3~3.1(g)の摂取を推奨しています(除脂肪体重なので注意)。
加えて、他の研究者たちで体重×2g前後のたんぱく質を推奨している方も多く、まとめると「1.6~2.5(g)×体重(kg)を摂取する」と考えておけばOKかなと思います。
理想的な脂質の量について
ホルモンの働きを正常化したり、身体のエネルギーになる栄養素である「脂質」について。
増量・減量に理想的な脂質の量は「1日の摂取カロリーの15~30%」です。
1日2,500kcal摂取する人であれば、41~83(g)の脂質を摂取すれば良いという計算になります。
この数字の根拠
2014年の研究<3>によると、ホルモンの働きを正常化するために、脂質は「1日の摂取カロリーの15~30%必要」という結論になっています。
他の研究者たちも大体これくらいの量を推奨している方が多いようです。
増量・減量中ともに脂質はやや少なめがおすすめ
「総カロリーの15~30%の脂質が理想的」とお話ししました。
ただ、2つの理由から30%(上限)に近いよりは、15%(下限)に近い数字で食事するのがおすすめです。
- 脂質には強い筋肥大作用がない
- 筋トレのような高強度トレーニングではエネルギーとして使われにくい
ざっくり、「総カロリーの20%くらい」を目安にしてみると良いと思います。
理想的な炭水化物の量について
筋トレのエネルギー源になる栄養素である「炭水化物」について。
たんぱく質と脂質の摂取量を決めたら、残りのカロリーを炭水化物で摂取すればOKです。
炭水化物は多めに摂るのがおすすめ
よく減量には低脂質が良いだの低糖質が良いだと言いますが、結論から言うと両方とも痩せ方に大差はないです。
例えば2018年に行われた「低脂質と低糖質ダイエット」を比べた研究<4>では、2つの方法とも体重減少は同じだという結果が出ています。
とはいえこれは筋トレしていない人も含んだ話で、筋トレしている人であれば炭水化物は多めに摂るのをおすすめします。
炭水化物は筋トレのエネルギー源になるので、低炭水化物だと筋トレパフォーマンスが落ちてしまい、疲労や筋肉の減少につながりやすいです。
実際にPFCバランスを計算してみよう

これまでPFCバランスは、以下のような感じが理想的だと解説しました。
- (P)たんぱく質
⇒1.6~2.5(g) × 体重(kg) - (F)脂質
⇒1日の摂取カロリーの15~30(%) - (C)炭水化物
⇒残りのカロリー
ここから実際にPFCバランスを計算してみましょう。
ステップ1:摂取カロリーを決める
まず、1日の摂取カロリーを決めます。
その人が1日に消費するカロリー(メンテナンスカロリー)は「カロリー計算機」を使って計算してみてください。
リンク先のサイトに以下の情報を入力することで、摂取カロリーがざっくり把握できます。
- SEX:性別を選択
- HEIGHT:Meterにして身長を入力
- WEIGHT:Kilogramsにして体重を入力
- GOAL:Maintenance(維持) or Fat Loss(減量) or Muscle Gain(増量)を選択
- ACTIVITY LEVEL:1日の運動量を入力。下に行くほど運動量が多い
ここでは、1日の摂取カロリーを2,500kcalとします。
ステップ2:たんぱく質の量を決める
これまでの説明で、「増量でも減量でもたんぱく質は1.6~2.5(g) × 体重(kg)が理想的」ということがわかりました。
今回は体重70kgの方が体重×2g摂取、つまり合計140gのたんぱく質を摂取するとします。
たんぱく質は1gあたり4kcalなので、カロリーに直すと140×4=560kcalということになりますね。
ステップ3:脂質の量を決める
これまでの説明で、「増量でも減量でも脂質は1日の摂取カロリーの15~30%が理想的」ということがわかりました。
ここでは20%として計算を進めるとすると、こんな感じになります。
2,500kcal(摂取カロリー)×0.2=500kcal
ステップ4:炭水化物の量を決める
これまでの説明で、「炭水化物はたんぱく質と脂質を引いた残りのカロリー」ということがわかりました。
ステップ1~3で計算した数値をもとに計算すると、こんな感じになります。
2,500kcal(摂取カロリー)-560kcal(たんぱく質)-500kcal(脂質)=1,440kcal
よって、1,440kcalが炭水化物になります。
ステップ5:まとめ
計算結果をまとめると、こんな感じになります。
- 摂取カロリー:2,500kcal
- (P)たんぱく質:560kcal(140g)
- (F)脂質:500kcal(55g)
- (C)炭水化物:1,440kcal(360g)
この数字が理想的なPFCバランスになります。
PFCバランスの良い食事をするための必需品
僕がPFCバランスの良い食事をする上で、必須だと感じているものをご紹介します。
キッチンスケール
食べるものは全部キッチンスケールで測ることをおすすめします。
特に脂質は10gズレるだけで100kcal近くのズレになるので、これなしで食事をすると「一気に太った」「痩せない」とかっていう原因にもなります。
プロテイン
足りないたんぱく質はこれで補いましょう。
このプロテインは甘くて美味しいので最近ハマってます。
オートミール
食物繊維豊富の良い炭水化物源です。
「あと100kcalくらい炭水化物が足りない」っていう時にメチャ便利です。
ご飯とか麺類って準備するのに時間がかかりますが、オートミールは一瞬ですし、保存も効いて美味しいので最強です。
アーモンド
良質な脂質を摂るのに便利です。筋トレ好きな人は結構食べてる人が多いですね。
これも保存が効くし、美味しいのでPFCバランスの調整源として最強です。
まとめ:【筋トレ×食事】増量・減量に理想的なPFCバランスとは?
- (P)たんぱく質
⇒1.6~2.5(g) × 体重(kg) - (F)脂質
⇒1日の摂取カロリーの15~30(%) - (C)炭水化物
⇒残りのカロリー
今回は、筋トレしている方に向けて、増量・減量に理想的なPFCバランスについて解説しました。
PFCバランスは増量する上でも減量する上でも非常に重要です。
めちゃくちゃなバランスで食事をすると非常にもったいないので、是非今回お話しした内容で試してみてください!
参考文献
<1>International society of sports nutrition position stand: diets and body composition
<2>A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults
<3>Evidence-based recommendations for natural bodybuilding contest preparation: nutrition and supplementation
<4>Effect of Low-Fat vs Low-Carbohydrate Diet on 12-Month Weight Loss in Overweight Adults and the Association With Genotype Pattern or Insulin Secretion: The DIETFITS Randomized Clinical Trial.