こんにちは!パーソナルトレーナーのゴリラです。
「増量時ってどれくらいオーバーカロリーすれば筋肥大に良いの?」という疑問を持つ方もいますよね。
実は、オーバーカロリーしすぎるとマイナスな事が多いので、何も気にせず食べまくるのはNGです。
そこで今回は、筋肥大に必要なオーバーカロリーの目安について解説します。
Contents
増量で筋肥大に必要なオーバーカロリーの目安は?
結論から言うと、+200~300kcalのオーバーカロリーを目安として食事をするのが筋肥大にとって理想的です。
例えば、メンテナンスカロリー(体重を維持できるカロリー)が2,500kcalの人がいたとすれば、1日あたり2,700~2,800kcalを目安に食事をすればOKです。
なぜ若干のオーバーカロリーが筋肥大に良いのか?

世間では「増量中は脂肪増加を気にせず、1日5,000kcalとか食いまくれ」とよく言いますが、実際は効率が悪い方法です。
むしろ、大幅なオーバーカロリーは筋肥大の妨げになるケースも多く、若干のオーバーカロリーを長く続けていく方が良いと思います。
それはなぜか?理由は以下の3つです。
- 大幅にオーバーカロリーをしても筋肥大はそんなに変わらない
- 体脂肪が増えると筋肥大しにくくなる
- 体脂肪が増えるほど減量時に筋肉が減少する
理由1:大幅にオーバーカロリーしても筋肥大はそんなに変わらない
大幅にオーバーカロリーをすればするほど筋肥大が起こると考えられていますが、実はそうでもないです。
筋肥大において必要なのは「若干のオーバーカロリー」であり、「食べまくること」ではありません。
ある程度のオーバーカロリーがあれば筋肥大は起こり、そこからカロリーが増えても筋肉増加量はあまり変わらず、脂肪ばかりが増えてしまいます。
ここで、カロリー摂取量と筋肉・脂肪の増加を観測した2012年の研究をご紹介します。
研究では、39人のアスリートが2つのグループに分かれて約10週間のウエイトトレーニングを行いました。
- 1日約3,600kcal摂取するグループ
- 1日約2,900kcal摂取するグループ
その結果が以下のグラフです。

グラフからわかる通り、摂取カロリーを大幅に増やしても筋肥大はあまり変化せず、体脂肪ばかりが増えることがわかります。
そして、研究者たちはこの研究や過去の研究をもとに、+500kcal以上摂取するよりも+200~300kcal摂取するほうが良いと結論づけています。
理由2:体脂肪が増えると筋肥大しにくくなる
太っていれば太っているほど筋肥大が起こりやすいと思われがちですが、実際は体脂肪が増えると筋肥大しにくくなります。
よって、「いかに体脂肪の増加を抑えながら筋肥大していくか」というのが筋トレの食事管理においてかなり重要になってきます。
2011年に行われた「体脂肪率とホルモンレベル」を調査した研究をご紹介します。
この研究では、年齢の異なる1,265人の男性を集め、体脂肪率とホルモンレベルを調査しました。
その結果、「体脂肪率が増加するにつれテストステロンレベル減少し、エストロゲンが増加する」という事がわかりました。
テストステロンは筋肥大にとって最も重要といっても良い男性ホルモンであり、エストロゲンは逆に脂肪の増加をもたらす女性ホルモンです。
つまり、体脂肪率が増加するほど「筋肥大が起こりにくく・脂肪がつきやすい身体」になってしまうということです。
研究内容が全く違いますが、別の研究からも「体脂肪が増加すると筋肥大が起こりにくく・脂肪がつきやすい身体になる」という事がわかります。
2005年に行われたインスリンに関する研究では、体脂肪率が増加するにつれてインスリンの感受性が低下することがわかりました。
インスリン感受性が高いと、タンパク質の合成や脂肪燃焼が起こりやすくなるといわれています。
つまり、体脂肪が増加してインスリンの感受性が低下するということは、それだけ筋肥大が起こりにくく、脂肪がつきやすい身体になってしまうといえるでしょう。
理由3:体脂肪が増えるほど減量時に筋肉が減少する
筋肉を維持しながらの減量は非常に難しく、減量をすればするほど筋肉量はどうしても減ってしまいます。
完璧な食事管理・筋トレ・休養を追求したボディビルダーですら、減量時には筋肉が減少してしまいます。
要は、大幅なオーバーカロリーで筋肥大が起きても、減量で落とさなくてはいけない脂肪が増えすぎてしまい、筋肉が減りやすくなります。
かといって、減量しないと見た目が悪くなってしまいますし、上で説明した通り筋肥大も起こりにくくなってしまいます。
体脂肪をつける程、筋肉にとってはマイナスの要素が大きくなってくるのです。
若干のオーバーカロリーにはデメリットもある

増量時に+200~300kcalという若干のオーバーカロリーを目安にすることで、脂肪を極力つけずに筋肥大ができるという話をしました。
ただ、若干のオーバーカロリーは自分の1日の消費・摂取カロリーを正確に知る必要があり、慣れるまでは意外と難しいというデメリットがあります。
なので、わかんないときはギリギリを攻めるのではなく、気持ちやや多め(+400kcalとか)に摂取するのはアリだと思います。
重量なのは「オーバーカロリー」という状態なので、迷ったらやや多めに食べておくのはアリです。
だからといって、これまで説明した通り食べまくってもあまり意味がないので、食事管理には十分注意しましょう。
増量時の筋肥大に必要なカロリーを計算しよう

「結局、俺は何kcal食べればよいんだ?」という方のために、カロリー計算ツールをご紹介します。
その人が1日に消費するカロリー(メンテナンスカロリー)は「カロリー計算機」を使って計算してみてください。
リンク先のサイトに以下の情報を入力することで、メンテナンスカロリーがざっくり把握できます。
- SEX:性別を選択
- HEIGHT:Meterにして身長を入力
- WEIGHT:Kilogramsにして体重を入力
- GOAL:Maintenance(メンテナンス)を選択
- ACTIVITY LEVEL:1日の運動量を入力
1.Lightly active(適度な運動をするがデスクワークの人)
2.Moderately active(激しい運動をするがデスクワークの人)
3.Very Active(適度な運動もするし仕事でも動く人)
4.Extra Active(激しい運動もするし仕事でも動く人)
⇒筋トレする人なら大体の人が2か4に当てはまると思います。迷ったら中間の3を選んでおきましょう。
出た結果に+200~300kcalすれば、脂肪を付けずに筋肥大ができるカロリーになります。
例えば、計算結果が2,500kcalであれば、1日2,700~2,800kcal摂取すると良いです。
PFCバランスも考えるとなお良い
PFCバランスとは、1日の食事の中のたんぱく質(Protein)・脂質(Fat)・炭水化物(Carbohydrate)のバランスのことです。
摂取カロリーも重要ですが、PFCバランスも筋肥大においては非常に重要なので、合わせて考えてあげると良いです。
じゃあどれくらいのPFCバランスで食事をすればよいの?ということですが、まずは以下のようなバランスを目指してみましょう。
- (P)たんぱく質:1.6~2.5(g) × 体重(kg)
- (F)脂質:1日の摂取カロリーの15~30(%)
- (C)炭水化物:残りのカロリー
これらの数字は科学的根拠のある数字なので、この数字を目安に食事をすればOKです。
計算方法も含め、詳しくは以下で解説しているので参考にしてください。

まとめ:増量で筋肥大に必要なオーバーカロリーの目安
- +200~300kcalのオーバーカロリーが脂肪を付けずに筋肥大するのに良い
- 大幅にオーバーカロリーしても筋肥大はそこまで増えない
- 体脂肪が増えると筋肥大しにくくなり、脂肪も増えやすくなる
- 体脂肪が増えると減量時に筋肉が減りやすくなる
今回は、増量で筋肥大に必要なオーバーカロリーの目安について解説しました。
筋肥大するなら若干のオーバーカロリーで十分であり、大幅にオーバーカロリーしてもマイナスばかりということですね。
見た目も悪くなり・お金もかかり・時間ももったいないので、摂取カロリーには気を付けながら筋トレしていきましょう!