こんにちは!パーソナルトレーナーのゴリラです。
今回は、ボディビルダーのカイグリーン(Kai Greene)の脚トレーニングメニューについて徹底解剖しようと思います。
カイグリーンといえば、一度見たら忘れられない独特な髪形とポージングが特徴の、世界的ボディビルダーですね。
そんなカイグリーンがどうやって世界と戦う脚を作り上げたのか?
トレーニングに注目して学んでいこうと思います!
なお、カイグリーンのプロフィール等についてはこちらで解説しています。

Contents
カイグリーンの脚トレーニングメニュー
カイグリーン(Kai Greene)の脚トレーニングメニューはこんな感じです。
- ヒップアブダクション
+ボックスステップアップ
3セット - レッグカール(ワンレッグ)
3セット - レッグエクステンション
+レッグカール
3セット - スティフレッグドデッドリフト
3セット - スモウフロントスクワット
3セット - レッグプレス
3セット
カイグリーンは最初に尻やハムストリングを鍛え、最後に大腿四頭筋を鍛えるという流れのようです。
多くの方は最初にスクワットなどの大腿四頭筋を鍛える種目から入るため、通常とは順番が逆ということになりますね。
この順番は「ハムストリングや尻を重視して鍛える」というのが理由で、ボディビルダーのウィリアムボナックなんかも同じような順番で脚トレを行っています。

それでは、1種目ずつ詳しく見ていきます。
ヒップアブダクション


セット数 | レップ数 |
3(スーパーセット) | 20 |
※この種目は次のボックスステップアップとスーパーセットで行います。
最初の種目は、ヒップアブダクションです。
カイグリーンは大腿四頭筋やハムストリングの前に、尻を狙ってヒップアブダクションをするようです。
なお、カイグリーンが行うこのトレーニングのポイントは以下の通りです。
- 床に対して背中が90度になるように座る
- 脚を開ききったポイントで一瞬静止

カイグリーンはヒップアブダクションを行う際、背もたれを使用せず、床に対して身体が垂直になるように座ります。
ヒップアブダクションは身体の角度に関係なく、尻をメインに鍛えられるのには変わりません.
ただ、身体の角度によって強く効く部位が微妙に変化します。
- 背もたれを使って座る・・・大殿筋の関与が強くなる
- 身体を垂直にして座る・・・外側部(大腿筋膜張筋)の関与が強くなる

カイグリーンの場合、尻の外側らへんをターゲットにして、身体を垂直にしているようです。


カイグリーンは脚を開ききったポイントで一瞬静止し、筋肉の収縮を強めています。
ボックスステップアップ


セット数 | レップ数 |
3(スーパーセット) | 20 |
※この種目は先ほどのヒップアブダクションとスーパーセットで行います。
第2種目は、ボックスステップアップです。
この種目も先ほどのヒップアブダクション同様、尻をターゲットにして行います。
なお、カイグリーンが行うこのトレーニングのポイントは以下の通りです。
- 膝とつま先を外側へ向ける
- トップポジションでお尻を締めて筋肉を収縮
- トップとボトムポジションで一瞬静止

カイグリーンのフォームを見ると、膝とつま先が若干外側を向いているのがわかると思います。
通常通り、膝やつま先を身体の正面に向けてこの種目を行うと、大腿四頭筋の関与が強くなります。
一方で、カイグリーンのように膝やつま先を外側に向けて行うと、尻に強く負荷が入ります。
今回は尻狙いのため、膝やつま先を外側に向けているようですね。

トップポジション、すなわちベンチに登り切ったポイントで尻をキュッと締めることで筋肉を限界まで収縮させています。
これも尻に効かせる1つのテクニックですね。


トップポジションとボトムポジションでは一瞬静止し、筋肉を限界まで収縮・伸展させているようです。
ただ、ボックスステップアップは非常にバランスを崩しやすい種目です。
なので、筋肉の収縮と伸展は関係なしにトップポジションとボトムポジションで一瞬静止する人は多いです。
レッグカール(ワンレッグ)


セット数 | レップ数 |
3 | 12~20 |
第3種目は、レッグカールです。この種目は片足ずつ行います。
この種目では主にハムストリングを狙っていきます。
なお、カイグリーンが行うこのトレーニングのポイントは以下の通りです。
- 足首を曲げる
- パッドが脚につくまで動作を行う
- 尻を締めながら動作を行う
- 触ることで筋肉を意識させる

レッグカールの基本ではありますが、足首を曲げて動作を行います。
足首を曲げることでハムストリングに負荷を集中させられます。カイグリーンもそのことは強調し、足首をしっかり曲げるようにコメントしていますね。

上げるときはパッドが脚に完全にくつまで動作を行います。
カイグリーンは毎レップ、パッドと脚が当たって「パコッ」という音が鳴るまでしっかり曲げています。

カイグリーンいわく、
「尻を締めながら動作を行うとハムストリングの活動が増える」
ということで、ハムストリングにより効かせるためには、尻をキュッと締めながら行うのがコツだそうです。

トレーニングパートナーがいる場合、狙っている筋肉を触ってもらいながらやることで、より効かせられるようになります。
カイグリーンも「Lets go!Right here!Right here!」と言うように、筋肉を触ることでハムストリングに効かせるように意識させていますね。
「ただ筋肉を触る」という非常にシンプルなテクニックですが、効果は絶大です。
フィジーク選手のジェレミーブエンディアのコーチも、筋肉を触りながらトレーニングすることの重要性は語っていました。多くの選手が取り入れているテクニックです。
コーチがジェレミーブエンディアの脚を触ることで筋肉を意識させている
なお、トレーニングパートナーがいない場合、片手ずつ行う種目で筋肉を触りながらトレーニングしてみると良いです。
ボディビルダーのローリーウィンクラーとかも、自分の筋肉を触りながらトレーニングしているシーンがありました。プロでも使う良いテクニックだと思います。



レッグエクステンション


セット数 | レップ数 |
3 | 20 |
※この種目は次のレッグカールとスーパーセットで行います。
第4種目は、レッグエクステンションです。
なお、カイグリーンが行うこのトレーニングのポイントは以下の通りです。
- 足首はしっかり曲げる
- プレート同士の音が鳴るまで下げる
- 触って筋肉を意識させている

レッグエクステンションの基本ではありますが、動作中はしっかり足首を曲げます。
足首を曲げることで、さらに大腿四頭筋に強い負荷が入るようになります。

下げるときは限界まで下げます。
カイグリーンの場合、下げすぎてプレートが元の位置に戻り、プレート同士の「ガチャン」という音が鳴るまで下げています。
というのも、カイグリーンいわく
「可動域を広く取ると筋肉の収縮・伸展が最大になる。可動域を狭くするということはそれだけ筋肉の活動を制限しているということ。十分なリターンが得られない。」
とコメントしており、とにかく限界まで下げることを強調しています。
僕も経験上、レッグエクステンションを限界まで上げることを意識している方は多いですが、下げるときは中途半端な位置までしか下げない人が多いイメージです。
レッグエクステンションの場合、下げるときに特に注意して行うのが良いかもしれませんね。
なお、「可動域を広くとる」という考え方が強い印象を受けるのが、フィジーク選手の「ライアンテリー」ですね。
ライアンテリーはどの種目でも「これ、負荷抜けてるんじゃね?」ってくらい限界まで可動域を取っているイメージです。
一方で、「可動域があまり広くない」という印象を受けるのがボディビルダーの「ショーンローデン」ですね。
その日にもよるのかもしれませんが、少なくとも可動域が狭いトレーニング風景をよく目にします。





この種目も先ほどのレッグカール(ワンレッグ)同様、触ることで筋肉をさらに意識させています。
レッグカール


セット数 | レップ数 |
3 | 20 |
※この種目は前のレッグエクステンションとスーパーセットで行います。
第5種目は、レッグカールです。
先ほどもレッグカールはやりましたが、今度は両足同時にやっているようです。
なお、このトレーニングのポイントは先ほどのレッグカール(ワンレッグ)と全く同じですね。
- 足首を曲げる
- パッドが脚につくまで動作を行う
- 尻を締めながら動作を行う
- 触ることで筋肉を意識させる
スティフレッグドデッドリフト


セット数 | レップ数 |
3 | 20 |
第6種目は、スティフレッグドデッドリフトです。
この種目は、ハムストリングをターゲットに行います。
なお、このトレーニングのポイントは以下の通りです。
- 内股で動作を行う
- 動作中は膝を曲げない

カイグリーンはこの種目を内股で行っています。
教科書通りのフォームは以下のように、通常通り両足が平行になるように立ちます。
ただ、内股の状態で動作を行うことで、ハムストリングへの負荷が強くなります。
実際やってみるとわかりますが、バーベルを降ろした時に内股の方がハムストリングに強いストレッチを感じられると思います。


スティフレッグドデッドリフトの基本ではありますが、動作中は膝を曲げないようにします。
上の写真を見てもらえばわかる通り、膝が結構伸びており、この膝の角度を動作中はずっとキープし続けます。
ここで膝を曲げてしまうと、フォームが通常のデッドリフトに近くなって負荷がハムストリングから逃げてしまうので注意が必要です。
スモウフロントスクワット


セット数 | レップ数 |
3 | 20 |
第7種目は、スモウフロントスクワットです。
通常のフロントスクワットと同様、大腿四頭筋をメインとした種目であることに変わりはないですが、ワイドスタンスで立つことによって太ももの内側(内転筋)への負荷が強くなります。
また、このトレーニングはカイグリーンの特徴である「軽い重量で丁寧に効かせる」というのが見えやすい種目ですね。
効かせるためにはプレートを3枚も4枚も付ける必要は無いという考えで、実際この種目も最大で40kgまでしか使用していません。
普段高重量を扱って効いている感覚が無い方は、一度重量を落として丁寧に効かせてみるのが良いかもしれませんね。
なお、このトレーニングのポイントは以下の通りです。
- 背中を立てて動作を行う
- 上げるときは膝を伸ばしきらない
- 下げるときは脚が床と平行になるまで
- 動作スピードが常に一定

フロントスクワットの基本ではありますが、常に背中を立てて動作を行うようにしましょう。
身体が前傾することによって脚への負荷が減ってしまうのはもちろん、バーベルを落とす原因になったり、腰を痛めたりする可能性があります。
これはカイグリーンのスクワットの1つの特徴でしょう。
上げるときも下げるときも常に動作スピードが変わりません。
通常は上げ切ったポイントで一度静止し、呼吸を整えてから下げにいきますが、カイグリーンはノンストップで下げに行きます。
これは脚への負荷を逃がさないための1つのテクニックで、実際やってみるとわかりますが脚が焼け付くような感覚を得られるかと思います。
なお、カイグリーンのようにスクワットの動作スピードが一定の選手といえば、他にはビッグラミーがパッと思い浮かびます。
もちろん、その日や扱う重量にもよって変わるとは思いますが、負荷を抜かない1つのテクニックとしてボディビル界では人気のようですね。



これもフロントスクワットの基本ですが、上げるときは膝を伸ばしきりません。
ただ、カイグリーンの場合は教科書通りのフォームよりも膝の伸ばし具合が小さいです。
要は、結構膝が曲がっている状態までしか上げていません。
これも脚への負荷を逃がさないための1つのテクニックで、スクワットは膝を伸ばしきってしまうと負荷が脚から逃げてしまうため、その直前で止めてあげるようなイメージですね。
なお、先ほど紹介したビッグラミーも同様の方法でスクワットを行っています。

これも基本ですが、下げるときは脚が床と平行になるまでしっかり下げます。深くまで降ろすことによって脚を最大限にストレッチすることができます。
レッグプレス


セット数 | レップ数 |
3 | 10~20 |
第8種目は、レッグプレスです。
なお、このトレーニングのポイントは以下の通りです。
- 足はやや上の方に置く
- つま先と膝は外側に向ける
- 膝が胸に当たるまで下げる
- 動作スピードは常に一定


レッグプレスは通常、足置き場の真ん中らへんに足を置きます。
一方、カイグリーンは結構上の方に置いていますね。
これは、ハムストリングへの負荷を強める方法だそうで、大腿四頭筋メインの種目でありつつも、ハムストリングへも強烈な刺激を与えられるとのこと。
ハムストリングが弱点の方などは、レッグプレスの足を置く位置を変えてみるのも良いかもしれませんね。


カイグリーンはつま先と膝を常に外側へ向けながら動作を行っています。
これもハムストリングへの負荷を強めるための1つのテクニックだそうです。

下げるときは膝が胸に当たるまで深く下げるのがコツだそう。
可動域を広く取ることで、筋肉を最大までストレッチさせています。
これは先ほどのフロントスクワットと同様の考え方ですね。
下げるときも上げるときも常に動作スピードを一定にすることで、脚から負荷が逃げないようにしています。
まとめ:カイグリーンの脚トレーニングメニュー
今回は、カイグリーン(Kai Greene)の脚トレーニングメニューについて解説しました。
ハムストリングや尻からトレーニングを始め、最後に大腿四頭筋を鍛えるという流れでしたね。
また、どの種目も重量がかなり軽く、その代わりにフォームをかなり丁寧にやっているようでした。
最後に脚トレーニングメニューをまとめます。
- ヒップアブダクション
+ボックスステップアップ
3セット - レッグカール(ワンレッグ)
3セット - レッグエクステンション
+レッグカール
3セット - スティフレッグドデッドリフト
3セット - スモウフロントスクワット
3セット - レッグプレス
3セット
以上、ご参考頂ければ幸いです!
