こんにちは!パーソナルトレーナーのゴリラです。
今回は、ボディビルダーのカイグリーン(Kai Greene)の胸トレーニングメニューについて徹底解剖しようと思います。
カイグリーンといえば、一度見たら忘れられない独特な髪形とポージングの世界的ボディビルダーですね。
そんなカイグリーンがどうやって世界と戦う胸を作り上げたのか?
トレーニングに注目して学んでいこうと思います!
なお、カイグリーンのプロフィール等についてはこちらで解説しています。

カイグリーンの胸トレーニングメニュー
カイグリーン(Kai Greene)の胸トレーニングメニューはこんな感じです。
- ダンベルプルオーバー
3セット - インクラインベンチプレス
5セット - ベンチプレス
4セット - インクラインダンベルフライ
3セット
それでは、1種目ずつ詳しく見ていきます。
ダンベルプルオーバー


セット | レップ数 |
1 | 12 |
2 | 10 |
3 | 8 |
最初の種目は、ダンベルプルオーバーです。
カイグリーンはこの種目について以下のようにコメントしています。
「この種目は、次のインクラインベンチプレスやベンチプレスへと繋げるための良い種目」
「胸をあらかじめ疲労させておける」
要は「予備疲労法」というテクニックを胸のトレーニングで使用しているようですね。
通常はベンチプレスなどの高重量を扱うコンパウンド種目を最初に持ってきますが、ダンベルプルオーバーなどのアイソレーション種目を最初に持ってくる方法です。
特定の筋肉を事前に疲労させてからその他の種目に入ることで、特定の筋肉(今回で言えば胸)を徹底的に追い込むことができます。
なお、カイグリーンが行うこのトレーニングのポイントは以下の通りです。
- 常に負荷を抜かないような可動域でトレーニング
- 肘は閉じる
- 動作中は肘を動かさない
- 胸の収縮を常に意識する
ダンベルプルオーバーって人によってフォームがかなり変わる種目なのですが、今回も良い例ですね。
カイグリーンは胸から負荷が常に抜けないように、やや可動域を狭めにとレーニングしています。
例えば、教科書的なフォームは以下のように後頭部付近まで思いっきりダンベルを下げ、上げるときは胸の真上まで上げますね。
【教科書的なフォーム】

一方でカイグリーンの場合、腕が床と平行になるくらいまでしか下げず、上げるときも顔の上くらいまでです。
【カイグリーンのフォーム】


カイグリーンによるとこれが負荷の抜けない可動域だそうです。可動域よりもとにかく負荷が抜けない事を重視しています。
実際、「ダンベルを上げすぎるな」と指導しているシーンもありました。手で押さえてダンベルが上がりすぎないように制御しています。

逆に可動域をめちゃめちゃ取る選手といえば、フィジークのブランドンヘンドリクソンやライアンテリーとかがパッと思い浮かびます。
二人の選手はダンベルをお腹のあたりまで持ってきていますね。
【ブランドンヘンドリクソンのフォーム】

【ライアンテリーのフォーム】



基本ではありますが、肘は常に閉じて動作を行いましょう。
ダンベルプルオーバーは肘の開き具合で、以下のように効く部位が変わるので注意が必要です。
- 肘を閉じる:胸に効く
- 肘を開く:背中に効く
【胸に効かせる場合は肘を閉じる】

【背中に効かせる場合は肘を開く】

動作中は肘の角度を常に一定にキープしています。
これも基本ですね。動作中に肘の角度を変えてしまうと、負荷が胸から三頭へと逃げてしまいます。
胸の収縮はめちゃくちゃ意識しているようです。
どれだけ胸を意識しながらトレーニングできるかが肝のようですね。
なお、トレーニングパートナーがいる場合、胸を触ってもらいながら動作を行うとその部位を意識しやすくなります。
実際、カイグリーンも胸を触ることで胸を意識させようとしていますね。

なお、「筋肉を触る」というのは片手ずつ行うトレーニングなら自分でもできます。
ボディビルダーのローリーウィンクラーとかも二頭のトレーニングで自分の腕を触るシーンがありますね。


インクラインベンチプレス


セット | レップ数 | kg |
1(ウォームアップ) | 16 | 50 |
2 | – | 60 |
3 | 15 | 100 |
4 | 限界まで | 140 |
5 | 限界まで | 180 |
6(ドロップセット) | 限界まで | ~220 |
第2種目は、インクラインベンチプレスです。
なお、カイグリーンが行うこのトレーニングのポイントは以下の通りです。
- バーベルを胸につくまで降ろす
- バーベルを上げすぎない
- 動作スピードが速い
- サムレスグリップで握る
- 最後はドロップセット

カイグリーンはインクラインベンチプレスをする際、バーベルが胸に触れるくらいまで降ろしています。
しっかりと降ろすことで胸を限界までストレッチさせているようですね。
別のトレーニング動画でも、インクラインベンチプレスを胸につくまで降ろすよう指導している動画があったので、大切にしているポイントなのだと思います。

カイグリーンはバーベルを上げる際、あまり上げすぎないようにしています。
プレス系種目の基本にはなりますが、バーベルを上げすぎると負荷が胸から三頭や肩に逃げてしまいます。
負荷が抜けないギリギリの範囲でトレーニングを行っているようですね。
一方で、あえて可動域をめちゃくちゃ取る選手もいます。
フィジーク選手のライアンテリーなどがそうですね。インクラインダンベルプレスでは肘が伸び切るくらいまで上げているのがわかりますね。


カイグリーンのベンチプレスの大きな特徴の1つですね。
さすがに220kgなどの高重量ではふつうくらいのスピードでしたが、100kg前後の軽めの重量の場合は、「1レップにつき約1秒」というかなり速いスピードでトレーニングしています。

カイグリーンはバーベルをサムレスグリップで握っているようです。
ベンチプレスのグリップは結構好みが分かれるのですが、カイグリーンの場合はサムレスグリップを好んでいるようですね。
理由はおそらく以下の3点だと思います。
- 手首への負担を減らせる
- 単純に握りやすい(好み)
- 胸を意識しやすい(好み)
最後のセットのみドロップセットでトレーニングしています。
- 220kg⇒180kg⇒140kg⇒100kg⇒60kg
という重量変化でやっているようです。
ベンチプレス


セット | レップ数 | kg |
1 | 12 | 60 |
2 | 10 | 80 |
3 | 8 | 100 |
4 | 限界まで | 140 |
第3種目は、ベンチプレスです。
なお、カイグリーンが行うこのトレーニングのポイントは以下の通りです。
- バーベルを胸につくまで降ろす
- バーベルを上げすぎない
- 動作スピードが速い
- サムレスグリップで握る
ベンチプレスも、インクラインベンチプレスとポイントはほぼ同じですね。
ただ、インクラインベンチプレスの最後のセットはドロップセットでしたが、ベンチプレスではドロップセットはやっていないようです。
インクラインダンベルフライ


セット | レップ数 |
1 | 15 |
2 | 12 |
3 | 限界まで |
第4種目は、インクラインダンベルフライです。
なお、カイグリーンが行うこのトレーニングのポイントは以下の通りです。
- 下げるときはダンベルをややハの字にする
- 上げるときはダンベル同士がくっつくまで
- 動作中は肘の角度を変える
- 下げ切ったポイントで一瞬静止する
教科書通りのフォームは以下のように、ダンベルを下げたときでもダンベル同士が平行になります。

一方でカイグリーンはダンベルを下げる際、手がややハの字になる、ダンベルプレスに非常に近い体勢になっています。

というのも、下げるときにダンベルをハの字にするというのは、胸のストレッチを強くする1つのテクニックです。
結構多くの選手が使っている方法ですし、実際めちゃめちゃ効くのでおすすめです。
フィジーク選手のジェレミーブエンディアなんかも、下げるときはダンベルをハの字にしていますね。



上げるときはダンベル同士が完全にくっつくまで上げています。
ここまで上げ切ると負荷が抜けやすくなるため、ダンベル同士がくっつく一歩手前までしかあげない選手も多いです。ここら辺は完全に好みの問題でしょう。
例えばフィジーク選手を例にとると、ライアンテリーなんかはカイグリーンのようにダンベル同士がくっつくまで上げます。
一方で、ジェレミーポトビンなんかはダンベル同士がくっつく直前で止めていますね。
【ライアンテリーのフォーム】

【ジェレミーポトビンのフォーム】




ダンベルフライの教科書的なフォームは、「動作中は肘の角度を変えない」だと思います。
一方で、カイグリーンは結構肘の角度が変わっているのがわかりますね。
実は動作中に肘の角度を変えるというのも、胸に効かせるための1つのテクニックです。
理由は以下の記事で詳しく解説していますが、色んな選手も採用している結構人気のフォームになります。

なので、ダンベルフライが胸に効かない!っていう方は、カイグリーンのように動作中に肘の角度を変えてみるのもアリだと思います。

要は写真のポイントですね。ここで0.5~1秒で良いので静止してから上げ始めると、胸を思いっきりストレッチすることができます。
これも胸に効かせるための1つのテクニックですね。
まとめ:カイグリーンの胸トレーニングメニュー
今回は、カイグリーン(Kai Greene)の胸トレーニングメニューについて解説しました。
マシン系を一切使わず、全部フリーウエイトで攻めているようでした。
また、カイグリーンのトレーニングの特徴でもありますが、重量は比較的軽めで丁寧に効かせているようでしたね。
最後に胸トレーニングメニューをまとめます。
- ダンベルプルオーバー
3セット - インクラインベンチプレス
5セット - ベンチプレス
4セット - インクラインダンベルフライ
3セット
以上、ご参考頂ければ幸いです!
