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【筋トレ】筋肉量を維持したまま減量するコツを「科学的」に解説

こんにちは!ゴリラです。

「減量期なんだけど、筋肉量を維持したまま減量するコツとかってある?」

今回は、こんな疑問に答えます。

この記事の内容
  1. 筋肉量を維持したまま減量するコツ
  2. 減量をスムーズに行うための手順

この記事を書いている僕は、筋トレ歴7年ほどのパーソナルトレーナー。

これまで減量を数えきれないほど実践し、海外の研究データも参考にしながら試行錯誤を重ねてきました。

こういった背景の僕が、「筋肉量を維持したまま減量するコツ」について解説していきます。

筋肉量を維持したまま減量するコツ【筋トレ】

コツは以下の4つです。

  1. ゆっくり減量を行う
  2. トレーニング強度を維持する
  3. 十分なたんぱく質を摂取する
  4. 過度な有酸素運動を避ける

ちなみに、ステロイドを使うと、トレーニング量を増やしても回復でき、減量ペースを速くしても筋肉量を維持できます。

ステロイドユーザーの減量とはやや異なる点があることは、頭に入れておいてください。

①ゆっくり減量を行う

基本的には、ある程度ゆっくり減量しないと筋肉量を維持するのは難しいです。

よく月6kgも7kgも減量しようとする人がいますが、こういった速いペースでは筋肉を失うリスクが高いです。

摂取カロリーの目安は、-500kcal

減量時の摂取カロリーは1日あたり「約-500kcal」が目安です。

例えば、メンテナンスカロリー(1日の消費カロリー)が2,500kcalの人であれば、

「2,500kcal-500kcal=2,000kcal」摂取すればOKです。

なお-500kcalだと、脂肪は1kgあたり7,200kcalなので、ざっくり1ヶ月あたり2kgのペースで減量できます。

Mr.ゴリラ
Mr.ゴリラ
この摂取カロリーが筋肉を減らさずに減量するための最速ペースだよ!

減量時の摂取カロリーについては、以下の記事でも紹介しています。

【筋トレ】減量期に摂取すべきカロリーの目安とは【理由+計算方法】こんにちは!ゴリラです。 「筋肉を極力減らさずに減量したいんだけど、摂取カロリーの目安はいくつ?」 今回は、こういっ...

参考①:研究によると-500g/週のペースでの減量が良い

2011年に行われた研究<1>では、24人の運動経験豊富なアスリートを集め、2グループに分けて9週間の減量を行いました。

その結果が以下です。

  • -約500g/週のペースで減量
    ⇒体脂肪-4.9kg、筋肉量+1kg
  • -約1kg/週のペースで減量
    ⇒体脂肪-3.2kg、筋肉量-0.2kg

この研究から、研究者たちは減量するなら-500g/週のペースが良いと結論づけています。

そして、脂肪1kgあたり7,200kcalなので、-500g/週のペースで減量するには、ざっくり1日-500kcalの状態を作れば良いという計算になります。

参考②:研究によると-0.5~1%/週のペースでの減量が良い

2014年に行われた研究<2>を見ると、体重の0.5~1%/週のペースが良いとされています。

例えば体重65kgの人であれば、-0.5~1%/週というのは以下のような感じになります。

65kg×0.5%×0.01=0.325kg/週

65kg×1%×0.01=0.65kg/週

⇒ -1.3~2.6kg/月のペースでの減量

参考①の研究では、月2kgのペースで減量することが推奨されていました。

ただ、別の研究であるこの研究でも、同じようなペースが推奨されているようです。

②トレーニング強度を維持する

減量時にトレーニングの強度を下げてしまうと、筋肉を失うリスクが上がってしまいます。

極力トレーニングの強度を維持しつつ、減量を行うのが良いです。

減量期に高レップにする必要はない

減量期になると重量を落とし、高レップのトレーニングに切り替えて消費カロリーを増やす人も多いです。

ただ、個人的には高レップにする必要はなく、ある程度高重量を扱ったトレーニングがオススメです。

6~12レップくらいの範囲であれば全然OKですが、20レップなど極端に増やすのはオススメしません。

参考:高重量低回数と低重量高回数を両方やるのがオススメ

高重量低回数と低重量高回数では、筋肉に与えられる刺激がやや異なるため、両方とも行うのがオススメです。

詳しくは、以下の記事で解説しています。

【高重量低回数VS低重量高回数】筋肥大に効果的なのは?研究から解説こんにちは!ゴリラです。 「高重量+低回数と低重量+高回数ってどっちの方が筋肥大に効果的?」 今回は、こんな疑問に答...

③十分なたんぱく質を摂取する

これはもうすごくシンプルですが、筋肉の材料であるたんぱく質の摂取は、筋肥大にも筋肉量の維持にも重要です。

減量する際は十分な量のたんぱく質を摂取する事がポイントです。

たんぱく質摂取量の目安:1.6~2.5g/kg

目安はこんな感じです。

例えば、体重65kgの人であれば、「104~162g」のたんぱく質を毎日摂取すればOKという計算になります。

たんぱく質の摂取量は少なすぎるとダメなのはもちろん、多すぎてもあまり意味はありません。

ある程度十分な量を摂取したら、残りのカロリーをトレーニングのエネルギーに使われる炭水化物で摂取するのがオススメです。

摂取すべき炭水化物の量・脂質の量などについては、以下の記事で解説しています。

【筋トレ×食事】増量・減量に理想的なPFCバランスとは?科学的に解説 こんにちは!パーソナルトレーナーのゴリラです。 筋トレしてる人なら誰もが感じる「理想的なPFCバランスって何?」と...

この数字の根拠

2017年に行われた、たんぱく質と筋肥大の関係を述べた2つの研究<3&4>について。

この2つの研究では、1.6(g)×体重(kg)程度のたんぱく質があれば筋肉の維持・増加には十分であり、これ以上摂取しても筋肥大の影響はないとしています。

とはいえ、2014年に行われた他の研究<5>では、除脂肪体重(kg)×2.3~3.1(g)の摂取を推奨しています(除脂肪体重なので注意)。

加えて、他の研究者たちで体重×2g前後のたんぱく質を推奨している方も多く、まとめると「1.6~2.5(g)×体重(kg)を摂取する」と考えておけばOKかなと思います。

④過度な有酸素運動を避ける

有酸素運動はカロリー消費に効果的ですが、筋肉量を減らしてしまうリスクがあるので注意が必要です。

むしろ、体脂肪率10%くらいまでは有酸素運動0でも良いくらいだと思います。

僕もそうですし、僕も周りでも10%くらいまでであれば有酸素運動なしでも、そんなに苦労せず落とせている印象です。

体脂肪率1桁のときなどに、「カロリーを減らすだけだとこれ以上きつい状態になって使う切り札」のようなイメージを持っておくと良いです。

参考:研究者たちは有酸素運動を極力控えることを推奨

2014年の研究<6>によると、研究者たちは、トレーニングへの影響を減らすためにも、出来る限り有酸素運動を少なくするように推奨しています。

仮にやるとしても、毎日1時間も2時間もやるのはオススメしません。

むしろ、1週間のトータルが1~2時間とかで十分なレベルです。

Mr.ゴリラ
Mr.ゴリラ
有酸素運動は時間も取られちゃうしね!

減量をスムーズに行うための手順【筋トレ】

減量をスムーズに行うための手順は以下のような感じです。

  1. 適切なカロリーの設定
  2. 適切なPFCバランスの設定
  3. 適切な食事回数の決定
  4. 体重の変動に合わせたカロリーの調整
  5. 停滞期の脱出

詳しくは以下の記事で解説しています。

【ボディビルダー的食事マニュアル】誰でもできる増量・減量の始め方こんにちは!ゴリラです。 今回は、誰でもボディビルダーのような増量・減量ができるように、具体的な食事方法を解説します。 この...

まとめ:筋肉量を維持しつつ減量を成功させよう

筋肉量を維持する減量のコツ
  1. ゆっくり減量を行う
  2. トレーニング強度を維持する
  3. 十分なたんぱく質を摂取する
  4. 過度な有酸素運動を避ける

こんな感じです。

特に、多くの人がやりがちなのが、速いペースで減量をしていくことです。

序盤から一気に食事を減らし、トレーニング量を増やし、有酸素も取り入れてしまうと、筋肉がごっそり持っていかれます。

これらの中でも見落としがちな、「ゆっくを減量を行う」には特に注意するのが良いです。

というわけで、今回は以上です!何か参考になれば幸いです。

参考文献
<1>Effect of Two Different Weight-Loss Rates on Body Composition and Strength and Power-Related Performance in Elite Athletes
<2>Evidenced-based recommendations for natural bodybuilding contest preparation: nutrition and supplementation
<3>International society of sports nutrition position stand: diets and body composition
<4>A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults
<5>Evidence-based recommendations for natural bodybuilding contest preparation: nutrition and supplementation
<6>Recommendations for natural bodybuilding contest preparation: Resistance and cardiovascular training

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